ハワイ大と米当局が解析
赤道を挟んだ南北太平洋や大西洋で、1998年から2006年までの9年間に、植物プランクトンによる光合成の能力が極めて低くなる「海の砂漠化」が徐々に拡大していることが、ハワイ大の研究グループと米・海洋大気局などによる20日までの解析結果で明らかになった。海の砂漠化が進む面積は、太平洋と大西洋の約20%に達している。
ハワイ大の研究グループらは、98年1月から06年12月までにわたり、人工衛星を使って、海洋生物の生産能力を示す指標となる植物プランクトンの葉緑素(クロロフィル)量のデータを解析。地球温暖化に伴う海水温の上昇などで、海水が表層と深層で混ざりにくくなり、深層からの表層への栄養分の供給が減ったことが原因らしい。
現在の水準で温暖化が進めば、さらに砂漠化する海域が広がり、生態系や漁業などにも影響が出る恐れがある、と同グループの報告は警告している。果たして、このハワイ周辺の母なる海は、われわれの子孫にまで残せるのだろうか。