自然環境調査待ちで再開のメドたたず
オアフ島-マウイ島間を往復するハワイ初の定期運航スーパーフェリー「アラカイ」が、明日19日木曜日の運航を最後に、無期限で運行を停止することが決まった。ハワイ州最高裁判所が、スーパーフェリーによる自然環境調査の結果が判明するまで、運航停止を要請したもの。ハワイ・スーパーフェリー社は18日、「これまで11カ月間にわたり、25万人以上の利用者があり、ハワイに新しいビジネスのチャンスを提供した。上告自体がまだ最終段階ではないが、諸般の事情を考慮して裁判所の要請に応じた」とコメントしている。現時点で、再開のメドはたっていない。
自然保護団体などの訴えで、冬季には多くのクジラが回遊するなど、環境保護への影響調査が争点になっていたハワイ・スーパーフェリー。ハワイ州は経済的な利益や利便性を優先させて、調査中でもハワイ・スーパーフェリーの運航を認める州法「Act2」を成立させ、2007年12月からオアフ島-マウイ島間の運航を再開させた。が、ハワイ州最高裁判所は「州法Act2は特定企業の利益を優先したもので、憲法違反の疑いがある」として、自然環境調査の結果が判明するまで、運航停止を要請していた。
ハワイ・スーパーフェリー社では、すでにマウイ島に渡っている車やマウイからオアフ島へ来ていた自動車などのため、明日19日木曜日に最終の運航を予定している。同社では、19日以降の予約者に対し、払い戻しやハワイアン航空とモクレレ航空への特別料金での振り替えも提供している。また、当面、再開のメドがたたないことから、明日の最終運航後、236人の従業員を解雇することも決めた。
リンダ・リングル州知事は、「スーパーフェリーはこれまで多くの中小企業を支援し、リーズナブルな島間移動手段として多くの人たちに利用されてきた。今回の運航中止はハワイ経済に大きな影響を及ぼすだろう」と声明を発表。州政府では、解雇される従業員たちの再就職先を斡旋するなどの救済措置も検討中だ。
◎ハワイ・スーパーフェリー
電話:1-877-443-3779
ウエブサイト:www.hawaiisuperferry.com