デルタ航空とノースウエスト航空が合併
世界の航空界に最大となる新「デルタ航空」が誕生しました。米国航空会社3位のデルタ航空(DL)と同5位のノースウエスト航空(NW)が今年1月から合併を模索していましたが、米司法省の認可を受け、現地時間10月29日に合併契約を締結。世界66カ国375都市に、年間1億7000万人以上を運ぶ世界最大の航空会社となりました。本社はアトランタで、成田のほか、デトロイト、ニューヨークなどの全ハブ空港は合併後も維持。両社の統合作業は今後1、2年かけて進められる予定。新デルタ航空は合併に伴い、機材の有効利用や包括的で多様な路線網の構築などで、年間20億ドル以上の経費削減効果を見込んでいます。
当面、旅客のチェックインや取引などは合併前と同様、路線を運航する各航空会社が直接受け付け。ウェブサイトや予約システム、顧客向けサービスプログラムもそれぞれが運営を継続します。合併に要する一時的な費用は6億ドル以下となる見通しで、すでに9月末に開かれた今年の株主総会で、NW の株式の98%以上にあたる圧倒的多数が賛成を表明していました。両社株主に承認された通り、NWの株主は所有する1株につき1.25のDL株を取得します。
今回の合併に際し、NWのダグラス・スティーンランド社長兼最高経営責任者は「統合により財務面での安定性が向上することで、小規模な都市への路線を維持しながら、新路線就航などネットワークの拡大を図る」と強調。日本支社については、NWとDLの路線網の違いから「NWはアジアで歴史が長く、強力なセールス&マーケティングがある。今後もNWを活かしつつ、大きくは変化しない」と見通しを述べています。また、羽田空港の国際化については「日系航空会社が羽田から米国に飛ぶならば」という条件付きで「さらに開放を望む」と、現在の運用ルールを見守る姿勢を示しています。
DLのリチャード・アンダーソン最高経営責任者は「ノースウエスト航空はデルタ航空との合併手続きを完了し、新デルタ航空が誕生いたしました。この合併により、これまで以上の利便性とサービスを誇る世界最大の航空会社が誕生。より質の高いマイレージ・プログラムをご提供できるようになります。合併後も、お客様には今まで通りのサービスをご利用いただけ、お客様のワールドパークス・マイル、およびワールドパークス会員資格に変更はございませんので、これからも引き続きご利用いただけますようお願い申し上げます」と、利便性とサービスアップを強調しています。