韓中市場の本格台頭は数年先か?
ハワイを訪れる韓国や中国からの観光客数が順調に伸びています。これまでハワイ最大の主要マーケットである米本土や日本からの需要が、燃油サーチャージの高騰や景気の減速、航空機の減便などで下降気味にあることから、現地ハワイではこうした新たな市場への期待が高まっています。そんな追い風を受けて、米連邦政府は現地時間17日に韓国、チェコ、ハンガリー、スロバキア、エストニア、ラトビア、リトアニアの計7カ国に対し、最長90日を限度に観光や短期商用で訪れる場合、ビザなしで米国に滞在できる「ビザウェイバー(免除)プログラム」の採用を決定し、11月をメドに実施される見込みです。
この情報は低迷するハワイの観光業界などには、早くも朗報と受け止められています。ハワイでは日本に次ぐアジアのマーケットとして、韓国や中国への期待が年々高まってきています。ジーナ・キム・ナカムラ・ハワイ韓国商工会議所会頭は「韓国からの観光客数は年間45000人から50000人ですが、今回のビザウェイバー(免除)プログラムの導入で、この数年間で20万人まで急増する見込み」と、ハワイ経済の活性化に大きな期待をこめています。
一方、中国政府は7月17日から、米国を観光旅行の対象国に認定しました。これにより、中国の旅行会社は、ハワイへの団体旅行の取り扱いが可能となっていますが、現実には中国からハワイ・ホノルルへの直行便は未就航。ということで、ハワイへの最大の海外マーケットは米本土やカナダを除けば、依然として日本が大きな地位を占めています。
今回のビザ免除プログラムの導入で、韓国では早ければ年内、遅くても来年 1月中旬には実施の予定だそうです。これに伴い、韓国からの観光客の増加が見込めることは間違いなく、将来的にはハワイの不動産業界や事業投資にも積極的に働くのでは、と見られています。ただ、「韓国側の事情や米中間での基本合意事項など、ハワイ側の努力では解決できない問題も多い」(マーシャ・ワイナート州観光担当官)ことから、安定的な観光客の送客を見込める市場に成長するには、まだ5年から7年を要するのでは、というのが観測筋の話のようです。
日本は1988年からビザ免除の対象国で、今回の措置で米国の短期ビザ免除対象国は、計34カ国に拡大します。今後、米国はポーランド、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャなど6カ国にも広げる方針を示しています。
◎ホワイトハウス
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