「高すぎる(79.7%)」「分かりにくい」、高額で行き先変更(35%)
日本航空は8月21日、国際線の燃油サーチャージを10月発券分から値上げすると発表しました。値上げ幅は往復で1000円~1万2000円ですが、ハワイ線は片道2万2000円(現行2万円)となります。香港、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア線は現行額のまま据え置きを決定。この10月1日から12月31日発券分の燃油サーチャージ額について、先に値上げを決めていた全日空と同様に路線区分を見直し、新たな価格基準を設定。「市場動向や今年度の経営への影響を総合的に勘案した」と日本航空。これにより、10月から来年3月まで半年間の燃油サーチャージが同額の場合、50億円の増収を見込んでいるそうですが・・・
消費者を対象に実施された「燃油サーチャージに関するアンケート」で、現在のサーチャージ額が「高すぎる」と感じる人が79.7%に上ることが明らかになっています。年代別では24歳以下の回答者数は少ないものの、「高すぎる」との回答が100%。若年層には負担が大きく、気軽に海外旅行を楽しめる状況にはないことが浮き彫りになっています。
国土交通省が発表した「海外旅行者満足度・意識調査」では、消費者の不満は「広告表示の分かりやすさ」について20代から70代までの50%後半から60%超が「大不満」と「不満」と回答。「旅行会社や航空会社の説明の分かりやすさ」でも40%後半から50%後半が「大不満」と「不満」と回答しています。金額、分かりやすさ、ともに現行の燃油サーチャージは消費者の理解を得にくい状況にあります。
「燃油サーチャージ額によって行き先を変えたことがあるか」という質問には、変更したことがある人は34.8%にのぼり、20代と30代は40%台に近い。燃油サーチャージが原因で海外旅行を中止した経験が「ある」人は36%で「ない」人は64%。今後、さらに値上がりした場合、「(海外旅行に)行かない」は21.1%で、「値上げ額に関係なく行く」との回答は14.4%でした。
燃油サーチャージの表示については、71.3%が航空運賃やツアー代金と「総額で表示しても
らいたい」と回答。多くの旅行社からも、「消費者は旅行費用の総額で考えている」との声が多く、これを裏付けるかたち。国土交通省はすでに、総額表示の通達をしており、旅行社のツアー代金だけでなく、航空会社サイトをはじめとする単品でも総額表示を消費者は求めています。その一方で、旅行各社は今回の燃油サーチャージ値上げは「タイミングが悪すぎる」と需要懸念を心配しています。