フライトの運航やチケット販売もストップ
ハワイ・ホノルルを拠点とする地元第2位の航空会社「アロハ航空」は31日(ハワイ時間30日)、今月末をもって61年にわたった旅客便の航空事業から撤退し、事実上倒産したことが明らかになりました。米本土へのフライトはハワイ時間の今日30日、島間のフライトも明日31日が最後となります。4月1日以降の航空券などを持っている場合は、コードシェア(共同運航)しているユナイテッド航空やハワイアン航空が便宜を図る用意があることになっているので、各航空会社に問い合わせてください。また、旅行代理店やクレジット会社での払い戻し手続きなども、詳細は直接、お尋ねください。
アロハ航空はハワイ時間3月20日、会社再建を図るため、日本の会社更生法にあたる米連邦破産法11条(Chapter 11)の適用を申請。今後、米国法による保護の下、通常通りに事業継続しながら財政再建を進める予定でした。同社では、「今回の申請は事業の停止や撤退を意味するものではなく、今後の運航や予約、顧客サービスなどに変更はなく、従来通り提供。すでに作成済みの予約記録や発券済みのチケットも利用頂けます」としていた。
米連邦破産法11条の申請理由として、アリゾナ州フェニックスを拠点にするゴー!航空(GO!Airline)が格安航空券を売り物に2006年6月からハワイの島間運航に進出し、搭乗客を奪われて大幅に収益が減ったことなどを挙げていた。アロハ航空は今年1月、約6500万ドル(約65億円)の損失を計上。加えて、原油価格の高騰による航空燃料の値上がりも直撃していた。しかし、今月20日に2度目の米連邦破産法11条の適用を申請した直後、事業の一部または全体を売却する計画が表面化し、旅客便事業からの撤退に踏み切ったものとみられています。米連邦破産裁判所などでは今後、アロハ航空の航空貨物事業を引き受ける意向があるシアトルの企業とすでに交渉している模様で、貨物便の運航は継続される見込みです。
同社は、1946年7月26日に初の運航を開始。当初はチャーター便運行会社「トランス・パシフィック航空」としてスタートし、その後、Aloha Airlinesに社名を変更。1949年6月6日から定期便となっていた。ホノルル国際空港を基点に、ハワイ島、マウイ島などの島間に多くの路線を持ち、ハワイと米西海岸のサンフランシスコやサクラメント間など計6ヵ所にも定期便を運航していた。
これまでにも経営破たんしたことがあるアロハ航空は2004年12月30日、米連邦破産法11条の適用を申請。最大のライバル社であるハワイアン航空との間で過去3度にわたる合併交渉も行われたが、1970年、88年、2001年とも失敗に終わっていた。2008年4月1日からは、ユナイテッド航空機による共同運航で成田-ホノルル線を開設する計画でした。
デビッド・バンミラー同社社長はこの日、「身売り先を探したが見つからず、旅客事業を継続するための資金確保のメドもたたなくなった。残念ながら、他に選択の余地はなかった」と、談話を発表した。
◎アロハ航空
ウエブサイト:http://www.alohaairlines.com
◎ユナイテッド航空
http://www.united.com/page/article/0,6722,52609,00.html
◎ハワイアン航空
http://www.hawaiianair.com/AboutUs/Pages/AlohaAssistance.aspx