リフエにあるウィルコックス・メモリアル病院
入院している親類を元気付けようと今月、患者の愛馬を引き連れてカウアイ島リフエにあるウィルコックス・メモリアル病院を男性の見舞い客が訪問したところ、「馬の面会はできません」と、同病院に拒まれたことが、地元ハワイのメディアなどで話題になっています。入院中の患者は、折角、お見舞いの男性が連れて来てくれた愛馬に会うため、病院の外に連れ出してもらったものの、この好意は結局実らなかった、ということです。
同病院の広報担当者によると、この男性は、「患者が飼っている牡馬に会わせてあげたら、さぞ喜んで元気になるだろう」と思い、わざわざ馬を連れて来院。馬と一緒にエレベーターで3階まで上がったところで、病院の警備員に見つかり、「いくつか擦り傷ができた」末に、この男性と馬は病院の外に出されたそうです。
ハワイではオアフ島とカウアイ島などの隣島間を移動する飛行機内で、普通にペットを連れている旅行者を見て、驚いたことがありますが、このウィルコックス・メモリアル病院にも「ペットを連れてきても良い」という面会規則があります。ただ、許可されているのは犬や猫だけで、馬までは想定していなかったようです。同病院の広報担当者は「ウィルコックスはとても暖かい雰囲気の病院です。ただ、馬を連れてくる場所でないことは理解していただければ」と、一般見舞い客の了解を求めているということです。
ここまでなら笑い話のようですが、私が以前、カウアイ島を訪れたときの印象では、「ひょっとすると、あり得る話しでは?」と感じたのです。というのが、ガーデンアイランドと呼ばれるカウアイの街並みの穏やかさ、大らかな人たちに触れたことが一番の動機です。それだけではなく、ワイメア・タウンからリフエ方面に取材から戻る途中、幹線道路沿いにある、菜の花が咲き誇る牧場で出会った馬たちはとても人懐こく、呼べばまさにペットのように駆け寄ってきたのでした。
そういう素朴な側面が残された、いわば田舎町っぽいカウアイでの出来事だけに、この男性の見舞い客が馬を伴って病院を訪れたのは、本当に「元気になってほしい」という気持ちからではなかっただろうか? と思ってしまったのです。
ただ、今回の入院患者は同病院の職員に対し、「わたしの馬じゃない」と話した、というから謎は深まるばかり。でも、ハワイらしい、ほのぼのとした話題でした。