ハワイロード

ハワイに迎撃ミサイルを2009年に配備

北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」に対処する狙い

北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射や地下核実験の相次ぐ実施に伴い、アメリカ国防総省の関係筋は10日(火)までに、ハワイに弾道ミサイル防衛システムの一部で、降下してくる段階のミサイルを着弾前に地上から撃ち落とす「迎撃ミサイル」を配備する方針であることを明らかにしました。実用化は2009年を目指しており、来年1月からハワイで本格的な実験を行う予定であることも分かりました。

新たにハワイへ配備されることになるのは、戦域高高度広域防衛(THAAD)と呼ばれているミサイル迎撃システム。ハワイやアラスカまで到達する可能性が脅威となってきた北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」に対処するのが狙いのようです。迎撃用ミサイルには陸上と海上発射型があり、現在アラスカとカリフォルニアの空軍基地に11基の迎撃用ミサイルが配置されています。今回の措置は陸上発射型による抑止力の強化とみられ、THAADはこれまでニューメキシコ州で実験されていましたが、10月上旬にハワイに設備が移されています。

日本時間の今年7月5日、北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイル、テポドン2号の照準がハワイ周辺海域に合わせられていたことが明らかになっています。また、このほど、北朝鮮が地下核実験を実施し、北朝鮮当局者は9日、アメリカが北朝鮮との対決路線の打開に動かなければ核弾頭を搭載したミサイルを発射する可能性もある、と述べています。

核専門家の間では、北朝鮮はミサイルに搭載可能な核弾頭を小型化する技術はまだ得ていないとの見方が主流。長距離弾頭ミサイルの発射技術も稚拙で、北朝鮮が7月に行った一連の弾道ミサイル発射実験から、ハワイやアラスカに到達する可能性があるとみられたテポドン2号の発射実験は失敗との見方が支配的です。 今回の核実験の成否についても、予定通りの核爆発が達成されたのかどうかなど専門家の間でも意見が分かれ、関係各国が詳しいデータ収集や分析に動いています。

以上から、アメリカは外交圧力を加える一方で、並行して北朝鮮の長距離弾道ミサイルが確実に「脅威」となる前に、軍事的にも対処する戦略の一環だと見られています。